アドラー心理学を学ぶ 勇気づけのページ 福岡 熊本 共依存・アダルトチルドレンの克服

 

 
 
 
 

 アドラー心理学の復活

  アルフレッド・アドラーの死後、ルドルフ・ドライカースが精力的に活動して、アドラー心理学を広めます。 

 ドライ カース以外のアドラーの弟子としては、ハインツ・L・アンス バッハー夫妻が理論面を整理し ました。アドラーは自分が必要とされる世の中を駆け抜けていきました。彼は、本を書くのよりも講演や仲間たちと話をすることに精力を使いました。それで も、発表されたアドラーの著作に含まれた理論は、現代のアドラー心理学の理論のほとんど全てを含んでいました。しかし、彼は整理された本を残しておらず (ウルフなどの弟子が整理したものはありましたが)、ア ンスバッハーが整理するまで「おもちゃ箱をひっくり返したような状態」だったのです。

 アド ラー心理学の復活には、エレン・ベルガー「無意識の発見」にアド ラーの功績がフロイト、ユングと並んで記述され、かつ大きく評価されたことが影響しました。「無意識の発見」の発刊によって忘れ去られていたアドラー理論 が、再び心理学の専門家たちの注目を浴びるようになったのです。今まで見向きもされなかったアドラー心理学が研究されるようになりました。

 アドラー派でもないエ レン・ベルガーがアドラーの業績を非常に高く評価したのです。ベルガーの評価は緻密な研究も相まってアドラーに対する公平な評価として受け入れられたので す。

 ま、わ たしたちから言わせると、アドラーの理論がすごいことは当然な のですが、なぜ、公平な立場にいたエレン・ベルガーがそんなにアドラーを高く評価したのか?

 ぜひ、 「無意識の発見」を読んでみてください。もしかしたら、20世 紀初頭からの今までの臨床心理学の歴史は、フロイトによって歪められた「人間への見方」が、アドラーが「人間知」と呼んだごくごく妥当な見方に戻ってくる 過程にすぎなかったのかもしれません。 


 ドライカースの活躍 

 対人関 係のカウンセリング、神経症や精神病の治療に関してはアドラーに よってほとんど完成さ れた状態でしたが、アドラーが目指した究極の部分「育児と教育」が手つかずでした。 

 ドライカースはアドラーの有力な弟子の一人でした。ウィーンで中心的 な働きをしていましたが、ナチ スの手から逃れブラジルに亡命します。その後シカゴに移り、シカゴを拠点として、精力的にアメリカ全土にアドラー心理学を広めました。「教師の教師」と呼 ばれた彼は学校教育に積極的に関わりながら、アドラー心理学に基づいた教育の方法、育児の方法を完成させます。 

 現代の アドラー心理学は、ドライカースがいなかったら存在しなかった ろうと言う人がいます。 アドラー=ドライカース心理学と表現する人もいます。

 私は、 そう思いません。アドラーの業績は、一時期忘れ去られました が、復活するに十分な力強さを備えていました。ドライカースの貢献は大きなものですが、ドライカースがいなかったら存在しなかったことはなかったでしょ う。

 ドライ カースの功績は、フロイト精神分析医の牙城となった心理クリ ニッ ク(精神分析医の牙城に心理学者が入り込むようになったきっかけはカール・ロジャースの功績です。アドラー派は入り込めませんでした。)から相手にされな くなったアドラー心理学を教育の分野に広めたことでした。まあ、他に行き場所がなかったということもありますが、この育児・教育への道 筋もアドラーが生前に意図していたものでした。

 日本の アドラー心理学者の中には、アドラーの理論を古典物理学、ドラ イカース心理学を現代物理学に比して、その意義を説明する人がいますが、全く間違ったことです。

 ドライカースの業績は、全てアドラーの展開した理論 の延長にあります。


 影響を与えるアド ラー心理学

 アドラー心理 学の理論は他の心理学や精神医学に大きな影響を与えるようにな りました。アドラーは自分の心理学を「人間知=常識」と呼びました。アドラーの知見はフロイトのように偏向して考えない限り、まともに考える限り心理学の 行き着く先の理論でした。

 ですから、フ ロイトの後継者の中でも、フロイトの定めた「精神分析の儀式」 にさほどこだわらなかった人々の理論はアドラー心理学理論ときわめて似た理論となりました。(ネオ・フロイト派など)

 ですから、い ろいろな心理学者は違和感なくアドラー心理学の概念や理論を受 け入れたのです。アドラー心理 学の理論や概念ほど無断で他の学説に使われているものはありません。(「無意識の発見」エレン・ベルガー)たとえば、後に人間性心理学(第三潮流)の旗手 となるアブラハム・マズローもアド ラーの講演を聞きにいったことを自分で認めています。
だから、第三潮流の基礎理論はアドラー心理学と同じく全体論であり、現象学的なのですね。

 それから、 びっくりすることは、フロイト精神分析学を中心にされている方が エリスの 「論理療法」を平気で紹介されていることです。
実は「論理療法」を開発したアルバート・エリスは、ばりばりのアドレリアンなのです。エリスは今でも 北米アドラー心理学会の重要メンバーの一人です。ですから、「論理療法」って、基礎理論が全くのアドラー心理学でしょう?フロイトの精神分析とは全く矛盾 しているでしょう?

 フロイト理論 と一緒に考えて違和感感じません?

 ということ で、論理療法をもととする、今はやりの認知療法も、実はアドラー 心理学の流れなの です。「認知バイアス」なんて、アドラーの現象学(認知論)そのものですよね。

 フロイトとアドラーの死後の勝負はアドラーの勝ちで「勝負あった!」と 言うのが公平な判定でしょうか。

  ヨーロッパのアドラー心理学もアメリカの学会と相互に影響を与え合いながら発展してきているそうです。 


 日本のアドラー心理学

 日 本では、精神科医の野田俊作氏がシカゴのアルフレッド・アド ラー研究所に8ヶ月間学び、日本に持 ち帰り広げました。その後、もとヒューマンギルドの坂本洲子氏もアルフレッ ド・アドラー研究所に3年半学び、思春期の子どものためのアドラー心理学学習コース「アップル」などを開発し日本におけるアドラー心理学の普及に貢献して います。

 また、 平行して、アメリカの親子関係学習プログラムである 「STEP」(Systematic Training for Effective Parenting)も柳平 彬氏(発 心社)の手によって日本語に翻訳されて、日本で普及されています。ディンクメイヤー自身が日本に来てSTEPのリーダーを育 てました。
※「STEP」はドライカースの同僚だった
ドン・ ディンクメイ ヤーとゲーリー.D.マッケイによって開発された北米アドラー心理学会の公認プログラムです。

 また、 現在ではヒューマンギルドを中心に、アドラー心理学ベーシック コースや「SMILEス マイル」(ヒューマンギルドが開発した親子関係セミナー)を通して、教師や主婦を中心に広がってきています。SMILEは受講者数が13000人を超えた そうです。教育や家庭の子育てに非常に有効な心理学であるということで普及してきたのです。各地にアドラー心理学の学習グループが存在しています。 
熊 本勇 気づけの会も その一つです。

 ヒュー マンギルドには カナダのモントリオール 個人心理学研究所所長のジョセフペルグリーノ博士が年に一二回いらっしゃって統合されたアドラー心理学を教えにいらっしゃっています。

 ヒューマンギルド代表の岩井俊憲先生(違和感を覚える方はすいません。人間的に 尊敬できる方には「人生の師匠」という意味で「先生」をつけさせていただいています。「縦の関係」の意味合いはありません。)も「ペルグリーノ博士から教 わる以前に学んだアドラー心理学よりも、ペルグリーノ博士から教えていただいたアドラー心理学のエッセンスのほうがものすごく大きい。」というようなこと をおっしゃっています。

※ ペルグリーノ博士
ペルグリーノ博士は、1936年にイタリアのローマに生まれ、14歳の時家族とともにカナダのモントリオールに移住してきました。

 ペルグリーノ博士はロジャー ズの心理学からカウンセリングを学び始め、行 動療法、ユング心理学なども幅広く学び、最後にアドラー心理 学と出会います。1970年に、米国のニューヨーク州立大学で教育学部門の修士号を取得します。この時に、理論面を整備したハインツ・アンスバッハーとア ドラーの長男のクルト・アドラー(ニューヨーク学派)に師事します。

 1984年に当時のシカゴ・ アルフレッド・アドラー研究所(現在のシカ ゴ・アドラー心理学大学院、 TheAdlerSchoolofProfessionalPsychologyChicago)で修士号を取得します。この時にはドライカースの弟子の ハロルド・モサックたち(シカゴ学派)に学びます。

 さらには1986年に米国の コロンビア大学でアドラー派のカウンセリン グ・心理療法で博士号(心理学部門の学術博士)を取得しまし た。そしてこの時には古典派(シカゴ学派を「あれはドライカース心理学だ。アドラーに戻れ!」と批判する派)の雄ソフィア・デ・ヴリースに師事したので す。

  そのため、ペルグリーノ博士ご本人は、誰か一人の教えを金科 玉条守り続けるような排他的色彩のない立場の「統合されたアドラー派」を 自称しています。(アドラー心理学の先生たちの中では、アドラーの長男のクルト・アドラーが一番好きだそうです。アドラーから直々に育てられたクルトの人 間味がいかにすばらしいものだったかが分かりますね。クルト・アドラーから「あなたは、私の父によく似ている。」と言われたという話は有名です。)


 みなさん!ぜひペルグリーノ博士に会ってみられることをお薦めし ます。そりゃあ、もうすごいですよ。伝えられる知識や技法もすごいけど、その人間性のす ばらしさたるや。言葉に言い表せません。

 一緒にいるだけで淘然となってしまいます。あれはやっぱり博士の 人間への『愛』の深さではないでしょうか?

 博士からいただいた言葉「でも、君にならできる。」と、お父さん のように優しく抱いていただいたハーグの感動は一生忘れません。


 最近では、シカゴのアドラースクール オブ プロフェッショナルサ イコロジス ト(旧アルフレッド・アドラー研究所)で修士の資格を取られた平本相武さんが帰 国されて活躍されています。ヒューマンギルドにもたまに講演に来られます。あちらで修士を取られた方がたくさん帰ってくると良いですね。 

 


 切磋 琢磨しようアド レリアン仲間!

 今、日本には様々なア ドラー心理学学習グループがあります。
STEPを中心に学んでいるグループ、ペルグリーノ博士の伝える統合的なアドラー心理学を学ぶグループ、 星一郎氏を中心とするグループ、野田氏を中心としたグループなどなどです。

私はペルグリーノ博士のグループ(ヒューマンギルドが中心になっていま す。)に属しますが、どのグループの人も、アドラー心理学を学ぶという一点に関しては仲間だと思っています。実際に、他のグ ループの中にも友人がたくさんいます。

もしも、いくつかあるグループの内の一つが、「他のグループが学習しているアドラー心理学は正しくない。」とか「他人を操作するためにアドラー心理学を 使っている。」とか「自分たちのグループだけが、アドラー心理学を正しく伝承している。」などと主張していたら(そんなことはないと思いますが)、どうで しょ う。

 ある程度アドラー心理 学を学ばれた方ならば分かると思いますが、他のグループを否定すること自体がアドラー心理学の基本原則を踏み外しているということが分かりますね。(だっ て、「不適切な行動には注目しない」で「理性的に話し合う」のがアドラー心理学のエッセンスですから。)

 それに、ペルグリーノ 博士が聞いたら「え、私の伝えるアドラー心理学は正しくないの?」「私は他の方のアドラー心理学を正しくないなんて言ったりしませんよ。」と笑いながら おっしゃることでしょう。STEPを日本に伝えたディンクメイヤーもびっくりするかも。

 ですから、私たちも他 のアドラー心理学学習グループのことを非難したり、否定したりするのは厳に戒めたいと思います。

 私は、ある考え方に偏 らない統合的なアドラー心理学を提唱します。開かれたアドラー心理学を提唱します。開かれているというのは、参加する者に対して開かれていて(どんな人の 参加をも受け入れます。)、論議において開かれていて(一つの学会のような閉ざされた場での論議をせず、インターネット上や学会横断的な場で論議しま す。)、アドラー派以外の心理学との連携や知識の共有を拒まないという点で開かれています(アドラー派以外の心理学を拒むというのは、あまりにも意固地で す。)。

 北米に はアドラー心理学の学習グループが十いくつの組織が存在するそ うですから、日本にもた くさんの組織が生まれ、切磋琢磨すると良いですね。  

 そのた めには、特定のグループや個人の影響を受けない「話し合い」 「研究・実践発表」「論 争」の場があると良いと思います。国語教育界では中立的な商業誌がその役割を担っていますが、今後はインターネットが取って代わるのではと思っています。 
 アドラー心理学もインターネットで切磋琢磨していければいいですね。

 初め てアドラー心理学を学ぶ人

 いろん なグループをのぞいてみてください。でも、他のアドラー心理学 グループを否定している(建設的な批判は別ですよ)ところがあったら、そこは絶対にアドラー心理学を実践しているとは言い難いので、他のグループに急いで 移ってくださいね。

 アド ラー心理学を実践するというのは、民主的な横の人間関係を保つと いうことです。「偉い人」がいて、その人が正しいといっていることを後生大事に戴くことではありません。一見して民主的な横の関係を保っているように見え て、よーく見ると独裁者という人もいますから気をつけて。

 私がペ ルグリーノ博士や岩井俊憲先生を尊敬しているのは、この方々が 民主的な横の関係を体現されているからです。

 みなさ んも、○○大教授とか、○○学会○○とか、そんな名前だけ に惑わされないでください。その人がどのような人間関係を周囲と築いているか。それが全てです。

と思います。私の意見です。

 


 

※参照させていただいた本
「現代アドラー心理学」マナスター/コルシーニ著 前田憲一/高尾利数訳
「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー著 高尾利数訳
「人間知の心理学」アルフレッド・アドラー著 高尾利数訳
「個人心理学講義生きることの科学」 アルフレッド・アドラー著  岸見一郎訳  一光社
「アドラー心理学の基礎」 ルドルフ・ドライカース著  宮野栄訳 一光社


このページの感想をお待ちしています

 
 
ホームページ作り方